能代市風の松原植物調査

ベニバナボロギク （紅花襤褸菊）　（キク科）１年草。


茎は上部でよく分枝し、高さ30〜70cmになり水気が多い。

葉は互生し、長さ10〜20cmの倒卵状長楕円形。葉は濃緑色、両面にねた毛が疎らにあり下方のものは不規則な羽状に分裂する。

花序は先が垂れ、下向きに頭花をつける、頭花は全て細い環状の筒状からなり、花冠の上部はレンガ色、下部は白色。花柱は2裂し、裂片はしばらくするとクルリと巻く。

（ベニバナボロギクの頭花は、雄性先熟、つまり、雄しべが先に熟し、その後、雌しべが成熟する。成熟の時期をずらすことで、自家受粉を避ける仕組みである。雄しべの葯は癒着し葯筒をつくる。未成熟な雌しべが、ところてん式に花粉を押し出す。花粉を出し終わると、柱頭が２裂し受粉可能な状態になる綿毛をつけて、風散布する。）

綿毛は萼片が変化したもの。総苞は円筒形で長さ約1cmで、総苞内片はきれいに1列に並び、基部の幅広い所に総苞外片があり、外片はごく小さい。
冠毛は少し触れただけでもパッと開くようである。

花期は8〜10月。アフリカ原産。



０１．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　丈1.1mの個体。風の松原内で絶滅したと思われたが復活。写真下は真上から。

０２．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　採取した全草。丈1.1mの個体。分枝が旺盛で枝先に数個の花をつける。

０３．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　根は多く手で引き抜けない。それだけ根張りがある。

０４．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　茎の基部（矢印）は5cm程度濃い赤褐色。

０５．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　茎は緑色部と赤褐色の斑部とがあり、稜があり、毛がある。茎は硬く木質化している。写真下は茎の断面で芯に髄が詰まっている。

０６．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　葉は互生。

０７．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　葉の変異。倒卵状長楕円形。葉は濃緑色、両面にねた毛が疎らにあり下方のものは不規則な羽状に分裂する。長さ6〜35cm、幅3〜10.5cmと大きさが相当違う。

０８．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　葉の標準的な葉の表裏。

０９．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　葉の表側に全体的に毛がある。主脈は赤褐色。

１０．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　葉の裏側全体に毛がある。

１１．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　葉に縁は不規則な鋸歯がある。

１２．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　葉先は尖る。

１３．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　葉柄は流れるように茎につき柄に翼がある。無毛。主脈は赤褐色。写真下矢印は維管束が1個でる。

１４．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　葉腋から枝がでてその先に花をつける。写真下、枝は赤褐色。この部位の茎は緑色。

１５．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　花は普通下向きに咲くが、横、又は上向きに咲くのもある。

１６．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　１個の枝先に花序が7個ついてた。

１７．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　1個の花の長さは13mm径13mm。花柄の長さ12mm。

１８．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　花柄に毛がある。

１９．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　写真上、総苞片は有毛。写真下、総苞片を開いてみた。全部で20個で花をとりまく。長さ12mm。

２０．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　基部の幅広い所に総苞外片があり、外片はごく小さい。総苞外片は12個ある。

２１．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　写真上花の正面。写真下はやや斜めから記録。

２２．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　花を縦に半分に切断して開いてみたもの。

２３．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　１個の筒状花は長さ15mm。

２４．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　花柱は２裂し裂片はくるりと巻く。Ａ=花柱。Ｂ=葯。Ｃ=花冠裂片。Ｄ=花冠カップ状部。Ｅ=花冠管状部。

２５．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　花冠管状部は白色で無毛。

２６．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　子房は長さ2mm。

２７．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　果実期。冠毛を全部飛ばしたのもある。

２８．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　冠毛は少し触れただけでもパッと開くようである。冠毛の長さ12mm。

２９．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　冠毛には枝毛がない。

３０．１５年１１月２０日　ベヌバナボロギク　種子の長さは2.5mmで上向きにの白い毛があり隆条。写真挿入は切断面ですが私のカメラでは無理でした。