能代市風の松原植物調査


ウラジロモミ(裏白樅) (マツ科)常緑高木・雌雄同株。日本固有種。


ブナ帯を中心に、亜高山帯にかけて生育し、コメツガやイラモミなどと混生することが多い。

樹皮は灰褐色で、赤み帯びていることが多い。老木では粗く割れる。高さ20m径80cmに達する。
樹幹は円錐形。枝は,対生につく。若い枝は明るい黄褐色で光沢があり無毛。

冬芽はは卵形でヤニに覆われている。葉は堅いがにぎっても痛くない。

葉は上部の枝や光の十分当たる枝では螺旋状につき、若木やあまり陽の当たらない枝では羽状につく。
長さ1cmほどの線形で表面は濃緑色で、裏面には幅の広い白色の気候帯が2本あり、白っぽく見える。
基部は細くなり長さ3mmほどの葉柄となる。
葉先は丸く、先端がややへこんでいる。葉枕は発達しない。

雄花は前年枝の葉腋につく。雌花は赤紫色で前年枝に直立する。

球果は長さ5〜10cm径3cmの円柱状で紫色を帯びた褐色。苞鱗は種鱗より短く、外からは見えない。
種鱗は扇型で長さ2cmほどで、基部に種子が2個つく。種子には種子本体より長い翼がある。

開花した年の10月〜11月にかけて種子が熟すと、種鱗がバラバラになって飛散し、中軸だけ残る。中軸の基部は2〜3年枝に残る。

花期:6月。生育地、本州、四国。


参考:類似種との区別点:モミと似ているが、ウラジロモミは若枝が無毛で、線状の深い溝が目立つ。モミの若枝には短毛があり溝がない。球果はウラジロモミが紫色を帯び、苞鱗が外につきでないのに対し、モミの球果は緑色を帯び、苞鱗が尾状につきでる。
又モミは若木や日当たりの悪い枝の葉は先端が2裂して、針状に鋭く尖るのが特徴。ウラジロモミの葉は若木でも先端が少し凹む程度。名前の由来は、葉の裏が白いことによる。別命岳樅(だけもみ)は高い山上に生えるモミの意味。


09年から風の松原内の裏白モミを監査していますが花が咲いたのを見たことがありません。
植樹されたものでこれ1本だけで、16年伐倒され記録もこれまでです。
どこかで花が咲いていたら追加投稿したいと思っております。



01.14年07月15日 ウラジロモミ 稲荷神社の入り口に生育しているが目録にないと言うことは長後に植樹されたものと推察される。




02.14年07月15日 ウラジロモミ したか見た枝ですが枝分かれは激しい。




03.14年07月15日 ウラジロモミ 樹皮は灰褐色で横縞の皮目がある。




04.14年07月15日 ウラジロモミ 枝はどこまでも対生です。




05.14年07月15日 ウラジロモミ 枝を採取してみたが枝は対生です。葉の表裏。




06.14年07月15日 ウラジロモミ 上は表側から見た正面の葉のつきか螺旋状。下は裏側から見たものです。触っても痛くない。




07.14年07月15日 ウラジロモミ 葉枕は発達しない。




09.14年07月15日 ウラジロモミ 葉の表裏側のきろくで、葉は線形で長さ25mmで厚くスベスベしている。




10.14年07月15日 ウラジロモミ 葉の表面は濃い緑色で光沢があり無毛。鋸歯はない。




11.14年07月15日 ウラジロモミ 葉の裏面は2本白い気孔帯。




12.14年07月15日 ウラジロモミ 葉先は尖らずわずかに凹み触っても痛くない。




13.14年07月15日 ウラジロモミ 葉柄基部は変円形。



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