能代市風の松原植物調査


エゾタンポポ(蝦夷蒲公英) (キク科)多年草。


林の開けた明るい所に生える。北海道や東北地方に自生するタンポポ。

羽状に深裂した長い根出葉を多くつける。花茎は中空で、先に多数の舌状花からなる頭花が1個つく。よく似た西洋タンポポとは異なり、頭花の下の総苞片は反り返らない。

西洋タンポポと見かけに大きな相違はなく、2つを見分けるには花の基部にある総包(咢に相当する)が反り返っているかどうかがポイントとなる。
また西洋タンポポが年がら年中咲いているのに対して、エゾタンポポは春にしか咲かない。

根出葉の長さは15〜30p、幅2〜4p。形は浅くあるいは深く裂けた羽状で先端は三角状となる。
花茎は高さ10〜20pで直立し、上方には軟毛がはえる。

頭花は径3.5〜4p。総包は緑色で長さ1.5〜2pで開花時に花片に沿って直立する。
総包外片は内片のおよそ半分長さで卵形で先は余りとがらない。内片は細く長く先が尖り背面が黒味を帯びる。
花冠は濃黄色で、周りの小花の長さは1.5〜2pほど。雄性先熟。

そう果の果実(種子)の長さは2.5〜4o、幅1.2oほどで長さ10oほどのくちばし(冠毛の柄)をもち冠毛の長さは6〜9o。
 夏には地上部は枯れて休眠に入り秋に葉を広げ越冬する。

花期3〜5月。北海道、本州(中部地方以北)



01.11年05月12日 エゾノタンポポ この時期日当たりのよい草地に沢山群生しています。




02.11年05月12日 エゾノタンポポ 丈は20cm程度でした。





03.11年05月12日 エゾノタンポポ 解りやすくするため、下の方眼紙を敷いてみました。○の部分は茎はなく、花を支えるための特殊な茎(花茎)で、本当の茎は根の近く数センチしかありません。




04.11年05月12日 エゾノタンポポ 葉は根元から放射状につく。花茎にに葉をつけず頂きに1個の花をつける。




05.11年05月12日 エゾノタンポポ 採取した資料。葉は根元から出る。根出葉の長さは15〜30p、幅2〜4p。形は浅くあるいは深く裂けた羽状で先端は三角状となる。




06.11年05月12日 エゾノタンポポ 根は非常に長い。写真では根が切れてしまっている。




07.11年05月12日 エゾノタンポポ 茎に毛が散生。茎の断面は芯が空洞で円形です。切断したら白い乳液が出てきました。




08.11年05月12日 エゾノタンポポ 葉の形ですが、羽状に裂け、裂けかたの程度も様々で一定していない。




09.11年05月12日 エゾノタンポポ 葉の表側の葉に多くはありませんが毛があります。脈にも毛がある。




10.11年05月12日 エゾノタンポポ 葉先は鋭頭。




11.11年05月12日 エゾノタンポポ 鋸歯がありその先端は棘があるようですが痛くはありません。




12.12年05月19日 エゾタンポポ 葉柄は段々狭くなってきますが、途中までは翼があります。




13.11年05月12日 エゾノタンポポ 葉の裏側の葉の表面にそんなに多くはありませんが、毛があります。




14.11年05月12日 エゾノタンポポ 鮮やかな黄色の花です。径3.5〜4.5cm。




15.11年05月12日 エゾノタンポポ 総苞片は反り返らず無毛です。花の反対側から見た総苞片ですが無毛です。反り返ってはいません。




16.12年05月19日 エゾタンポポ 総苞片には毛がある。




17.12年05月19日 エゾタンポポ 半分に切断したものです。この空洞は何というでのでしょうか?。




18.11年05月12日 エゾノタンポポ 1個の舌状花。雌しべはまだ2裂(カール状)になっていない。写真左上はカール状になった雌しべ。1個の舌状花。雌しべは2裂(カール状)になっていない。写真左上はカール状になった雌しべ。舌状花の先端は5歯。




19.12年05月19日 エゾタンポポ きれいに開いた冠毛。




20.12年06月21日 エゾタンポポ 果実は灰褐色〜茶褐色で、長い嘴の先に白色毛状の冠毛がつく。




21.12年06月21日 エゾタンポポ 果実(種子)には上向きの棘ある。長さ2.5〜4mm。




inserted by FC2 system