能代市風の松原植物調査


オトコヨモギ
(男蓬) (キク科)多年草。


日当たりのよい山野に普通に見られ、茎を叢生し、上部で枝を分け、根生葉は開花時には枯れ、丈50〜100cm。

葉は互生し、へら形で上半部に歯牙があるものから羽状に切れ込むものまで変化が多く、不規則に分裂したりする。長さ3.5〜8cmのへら形で、両面とも細い毛がまばらにあるか又はほとんど無毛で、基部はくさび形に細まり、柄はなく基部は托葉状に茎を抱く。

頭花は円錐状に密集して多数つき、長さ2mm径1.5mmで、花柄は0.5〜3mm。多量の花粉が風に飛ぶ。花の周りには卵形の総苞がつく。中心の小花は両性だが結実せず回りのものは雌性で結実する。

ヨモギ属の多くは葉裏や茎が白い綿毛に覆われているが、オトコヨモギには綿毛がない。葉の形は場所によって変わりやすく、高地には深く切れて裂片の細い型が見られる。
両生の小花では花冠の口元から雄しべの先の付属体が突き出ているのが目立ち、雌しべはその陰に隠れて見えない。雌性花と両性花で雌しべの形が全く違うことは他のキク科と変わらない。

花期は8〜11月。北海道〜九州。  



01.13年09月06日 オトコヨモギ 一塊になって、茎は直立か斜上して生育。右写真は上から見ると一塊になって生育している。




02.13年09月06日 オトコヨモギ 株分けしたものですが丈は1m位で、風の松原内にそんなに見る種ではありません。右上写真、茎は根から分枝して生育しています。根は一塊になった根を切り取り小分けしました。右下写真、根は木質化しており、太く硬いものでした。根の力は木と同様位あります。




03.13年09月06日 オトコヨモギ 茎は無毛。茎の切断面ですが円形です。 




04.13年09月06日 オトコヨモギ 葉は互生です。右写真は、上から見ると葉は十字対生に見えるが、葉は互生です。




05.13年09月06日 オトコヨモギ 茎に葉は抱きます。




06.13年09月06日 オトコヨモギ 葉の形に変異ですが、葉は4〜8cmのヘラ状くさび形で、上半分に歯牙があるものから羽状に切れ込むものまで変化が多い。写真右側、この個体の標準的な葉の形で、左が表側、右側が裏側で、長さ65mm、巾20mmでした。 




07.13年09月06日 オトコヨモギ 葉の表側に毛がある。写真右側、白く見えるのが毛です。葉の表側に短毛がある。 




08.13年09月06日 オトコヨモギ 葉の先は不規則に切れ込む。  




09.13年09月06日 オトコヨモギ 葉の縁は全縁ですが、多少波を打つような感じがある。




10.13年09月06日 オトコヨモギ 基部はくさび形で柄がなく茎に抱く。




11.13年09月06日 オトコヨモギ 葉の裏側にも毛がある。




12.13年09月06日 オトコヨモギ 茎の先に大きな円錐花序をつけ、小さな頭花を多数つける。




13.13年09月06日 オトコヨモギ 小さな頭花下向きに多数つける。




14.13年09月06日 オトコヨモギ 頭花を下から見たものです。雌しべが沢山でている。




15.13年09月06日 オトコヨモギ 頭花は長さ3mm、花柄は1mm程度で無毛。径は1.5mm程度です。総苞片は他のキク科と同様でヘリはかさかさした薄い膜質になっている。




16.13年09月06日 オトコヨモギ 頭花を縦に半分切断したものですがどれがどれだか、私のカメラではここまでです。図鑑では子房は退化しているようです。




17.14年01月12日 オトコヨモギ 冬季の姿です。写真右側は、この時期の刮ハ(頭花)は上向きになっている。花の時期には茎が斜めになり頭花は下向きになっているのに今時の茎は直立している。枝は斜めにでる。




18.14年01月03日 オトコヨモギ 頭花の総苞片が残っている。




19.14年01月03日 オトコヨモギ 枯れている刮ハ(頭花)ですが周囲に総苞片の跡も残っている。先端が4裂に開いているがこれから種子がこぼれて散布しているようです。頭花を逆さまにすると細かい種子がこぼれ落ちてくる。




20.14年01月03日 オトコヨモギ 刮ハ(頭花)の中に入っていた種子ですが径0.2〜0.4mm程度で、長さ0.5〜1.0mm程度の円柱形で色は茶褐色です。まるでウインナーソーセージを見ているようです。



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