能代市風の松原植物調査


ケナシヤブデマリ(毛無藪手毬)(スイカズラ科)落葉低木。


山地に自生するで高さ2〜4メートル。葉がやや大きいので広葉藪手毬(ヒロハヤブデマリ)とも呼ばれている。

樹皮は灰黒色、枝は水平に広がる。

葉は対生、柄があり円形〜広卵形、長さ8〜15センチ、新枝は卵形、葉の主脈から多くの支脈が明瞭に見え、葉縁には鋸歯がある。
若い葉の裏面や枝に毛があるものをヤブデマリと呼び、無毛か少ないものをケナシヤブデマリ(ヒロハヤブデマリ)と呼ぶ。

花は、4〜6月枝先に5〜10センチの白花を散房花序につける。花序の中央には5〜6ミリの小さい両性花が多数あり、その周りを5深裂した白色の装飾花(装飾花というのは、雄しべや雌しべがない花のことである)が囲む。
装飾花は不揃いに裂け、そのうちの1つが極端に小さいのが特徴である。
両性花は、花冠5裂、雄しべ5、雌しべ1。

果実は核果、長さ5〜6ミリの楕円形、8〜10月に赤色〜黒色に熟す。

ムシカリとの違いは、ヤブデマリは枝を横に伸ばし葉の基部がくさび形〜円形、ムシカリは枝を斜上に出し葉の基部は心臓形、花序の柄が短い。

花期4〜6月。東北〜北陸の日本海側。




01.10年05月28日 ケナシヤブデマリ 沢山の花をつけた生育状態。落葉低木で高さ2〜4m。







02.10年01月04日 ケナシヤブデマリ 樹皮は灰黒色。茶色の皮目があり、縦に線が入る。







03.10年01月04日 ケナシヤブデマリ 頂芽(左写真の左)、側芽(左写真の右)はそれぞれ2枚の芽鱗が合着して芽を包む。赤丸(左写真中央)は葉痕。右写真は側芽が開いてきたもの。







04.10年05月28日 ケナシヤブデマリ 葉は対生。







05.10年05月28日 ケナシヤブデマリ 葉は卵形。







06.10年05月28日 ケナシヤブデマリ 葉の表側は無毛。







07.10年05月28日 ケナシヤブデマリ 葉先は尖る。







08.10年05月28日 ケナシヤブデマリ 葉の縁に鋸歯がある。







09.10年05月28日 ケナシヤブデマリ 葉の基部は円形から広いくさび形まで。葉柄は赤褐色で無毛。







10.09年05月16日 ケナシヤブデマリ 花は、4〜6月、枝先に5〜10cmの白色の花を散房花序につける。中央の両性花が開いていません。







11.10年05月28日 ケナシヤブデマリ 花を正面(上写真)と側面(下写真)から。







12.10年05月28日 ケナシヤブデマリ 装飾花の正面(写真上)、裏側(下写真)。花径は16mm








13.09年05月16日 ケナシヤブデマリ 1個の装飾花。花径16mmの表側(写真上)。(写真下丸印)萼片5個。







14.14年05月24日 ケナシヤブデマリ 両性花の表裏8写真上)。側面(上から2段目)。表側の拡大(3段目)。裏側(下写真)両性花が咲く頃には装飾が散り始める。








15.14年05月24日 ケナシヤブデマリ 両性花。







16.14年05月24日 ケナシヤブデマリ 上写真は、花弁5個。A=雌しべ柱頭。中断の写真は雄しべ5個で、B=雄しべ葯。下段写真は花の横。雄しべは花冠からつきでる。花弁は後ろに巻く。







17.14年05月24日 ケナシヤブデマリ 両性花を縦に切断したもの。Aが雌しべ。下段写真が1個の雌しべ。







18.14年05月24日 ケナシヤブデマリ 1個の両性花の裏側。萼片は5個。花径5mm。







19.10年07月12日 ケナシヤブデマリ 果実のつきかた。







20.10年07月12日 ケナシヤブデマリ 果実。初め赤褐色で、後に黒色。楕円形で長さ6mm。下写真は果実を縦に切断。








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