能代市風の松原植物調査


カシワ (柏) (ブナ科)落葉高木 雌雄同株。

生育地は山野の痩せ地や礫地、海岸。
樹形は高さ15m径60cmほどになる。
樹皮は灰褐色〜黒褐色。縦に不規則に深い割れ目が入る。枝は縦に溝があり灰褐色の短毛と星状毛が密生する。

冬芽は長さ4〜10mmの卵状長楕円形。芽鱗は20〜25個。葉痕は半円形。

葉は互生。葉身は長さ12〜32cm幅6〜18cmの倒卵状長楕円形で用紙質。先端は鈍く、基部はやや耳状に張り出す。縁には波状の大きな鋸歯がある。表面には初め短毛や星状毛があるが後に無毛になる。裏面は灰褐色で短毛と星状毛が密生する。葉柄はごく短い。托葉は長さ1.4〜1.8cmの線形。開葉後まもなく落ちる。

花は雌雄同株で、5〜6月葉の展開と同時に開花する。雄花序は長さ10〜15cmで、新枝の下部から垂れ下がる。雄花の果皮は径約2mm。
雌花序は新枝の葉腋から出て、雌花が5〜6個つく。花柱は3個。

果実は堅果。長さ1.5〜2cmの卵球形。その年の秋に熟す。殻斗の鱗片は線形で螺旋状にびっしりとつく。

コナラやミズナラと自然交配し雑種を作りやすい。

花期5〜6月。北海道〜九州。



01.11年05月29日 カシワ 小さい個体。風の松原内には沢山ある。




02.10年01月10日 カシワ 樹皮は不規則に深く裂ける。




03.10年01月10日 カシワ 枝は縦に溝があり灰褐色の短毛と星状毛が密生する。




04.09年05月26日 カシワ 葉柄がきわめて短いのが特徴。葉は互生(ごせい)だが,枝先の葉は詰まって輪生状につく。




05.11年05月29日 カシワ 葉の裏側。




06.11年05月26日 カシワ 葉の表面に短毛がある。




07.11年05月26日 カシワ 葉の先は尖るものから多少丸味を帯びるものまで。




08.11年05月26日 カシワ 縁には波状の大きな鋸歯がある。




09.11年05月26日 カシワ 葉の基部はくさび形で、葉柄は短く3mm。




10.11年05月26日 カシワ 葉の裏面には短毛がある。




12.11年06月17日 カシワ 雌花。雌花序は新枝の葉腋から出て、雌花が5〜6個つく。花柱は3個右写真に矢印。




13.11年05月26日 カシワ 雄花。右写真は雄花の花柄に毛がある。




14.12年05月18日 カシワ 雄しべは長さ1〜2mm程度で花糸は白色で無毛。葯が開いて花粉を出している。




15.12年10月02日 カシワ 殻斗の先端に花柱の名残がついている。




16.12年10月02日 カシワ 同じカシワでも葉は広く大きいものや細長いもの等がある。風の松原内には3種程ある(写真左)。葉の違いによって殻斗の形も異なる。左写真の中と右は葉と同一の個体の殻斗で左の大きい葉には殻斗なし。右写真は様々な殻斗。




17.10年01月10日 カシワ 冬芽は長さ4〜10mmの卵状長楕円形。芽鱗は20〜25個。葉痕は半円形。



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