能代市風の松原植物調査


コウガイゼキショウ
(笄石菖)(イグサ科)多年草。


湿地に生える。根茎の節間はごく短く、叢生する。

茎は束生してやや扁平で多管質で、2稜あり、やや未発達な狭い翼を持つ。
翼は稜の片側だけに見られることもある。幅1〜2mm。高さ20〜40cm。

葉は幅2〜3mmで、厚くて中に気質(多管質)がある。葉に出張った横筋が目立つ(これは葉内を横に仕切る隔壁で、単管質の時は横筋が完全に横切り、多管質の時は横筋が途中で切れて続かない)。
根生葉では線形、茎につくものは剣状線形で、長さ8〜15cm。葉耳は膜質半透明で小さい。

花は緑色を帯び、3〜8個ずつ丸く集まり花の集団の下には短い苞がある。
花は花被片6、雄しべ3、雌しべ1よりなり、雌しべの花柱は3裂して柱頭となる。

刮ハは3稜あり、披針形で鋭頭、花被片よりも少し長いか同長で長さ4〜4.5mm、縦に裂け微小な種子を吐く。種子は鉄錆色で0.6mm前後。

花期:6〜8月。北海道?九州。




01.14年07月29日 コウガイゼキショウ 陽当たりのよい湿地で生育。沢山の花序をつける。




02.14年07月29日 コウガイゼキショウ 基部で叢生し茎が立ち上がる。




03.14年07月29日 コウガイゼキショウ 根は非常に強くなかなか引き抜けない。




04.14年07月29日 コウガイゼキショウ 茎葉部。





05.14年07月29日 コウガイゼキショウ 茎に節がある。




06.14年07月29日 コウガイゼキショウ 基部の鞘は薄茶色。




07.14年08月12日 コウガイゼキショウ 葉の表裏は無毛。




08.14年07月29日 コウガイゼキショウ 茎の断面は扁平で多管質で2稜があり、やや未発達な翼を持つ。翼は稜の片側だけの場合もある。




09.14年08月12日 コウガイゼキショウ 葉鞘口部は無毛。




10.14年07月29日 コウガイゼキショウ 葉舌は鋭角で無毛。(茎が平たいため広げるのが難しい)。




11.14年07月29日 コウガイゼキショウ 枝分かれが多い。花柄は葉腋部から出る。




12.14年07月29日 コウガイゼキショウ 上から見た果実期に入り始めの花序(上写真)。花は緑色をおび3〜8個ずつ丸く集まる。花被片6個、雄しべ3個、雌しべは1個で、花柱は3裂し柱頭になる。下から見た花序(下写真)。苞は短く花の下につく。花被片は線状披針形で先は長く尖る(矢印)。花被片は線状披針形で先は長くとがり、内外花被片はほとんど同長で長さ4〜5mm。





13.14年07月29日 コウガイゼキショウ 1個の果実。長さは6mm(左写真)。左写真の反対側(中写真)。若い種子(右写真、押しつぶす)。





14.14年08月12日 コウガイゼキショウ 果実と花被片。花被片を開いてみたら種子が入っていた。




15.14年08月12日 コウガイゼキショウ 刮ハの中に小さい多数の種子が入る。長さ0.5mm程度で長楕円形。




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