能代市風の松原植物調査


コブナグサ
(小鮒草) (イネ科)一年草。


茎は発根しながら地表を這い回り、これからでた多くの枝が直立して高さ20〜50cm。

葉の形は披針形で、葉身は長さ2〜6cm幅1〜2cmで、葉の基部は心臓形に凹んで左右から深く茎を抱き、基部の両縁には硬い毛がまばらに生え、葉面のヘリは大きく波を打つ。
葉鞘は短くてヘリに毛が列生し、葉舌は高さ1〜2mmで、ヘリは裂けて毛状の裂片となる。

花序はほぼ手のひら状にでた3〜15本の総からなり、総には緑白色〜黒紫色の小穂がほぼ2列に並ぶ。
第二小穂は無柄で長さ4〜6mmで、元々これと対になった第一(有柄)小穂があったが、退化して小さな鱗片となっている(参考文献図参照)。
第二小穂の苞穎は2個とも小穂と同長。
第一苞穎は質厚く5〜7脈をもち、第二苞穎は膜質透明で1脈(中央脈)に沿って折れボート形となる。

第一小花は無性で護穎はほぼ2mm余りで膜質透明で無脈。第二小花は両性で護穎は長さ1〜2mmで膜質透明で一般に基部の背面から芒が出て小穂外に長く突き出すものからほとんど芒のないものまでいろいろな型が見られる。
第二小花の内頴は護穎とほぼ同長か時に欠く。雄しべは2〜3個で葯は長さ0.5mm。

果実は長楕円状披針形、下半は紫色、長さ3mm。

花期は8〜9月。北海道〜沖縄。




01.12年08月26日 コブナグサ 道路脇の小道の日当たりのよいところに群生。






02.12年08月26日 コブナグサ 全草。丈は50cm。







03.12年08月26日 コブナグサ 下部は匍匐して地上をはい、節々から根をおろして上部は斜上。







04.10年09月26日 コブナグサ 茎は細く赤褐色をしており無毛(上写真)、茎の断面は楕円形(下写真)。







05.12年08月26日 コブナグサ 葉は互生。







06.10年09月26日 コブナグサ 葉は茎を抱く。







07.10年09月26日 コブナグサ 葉の表側(上写真)葉裏(下写真)。葉は狭卵形で波を打つ。







08.10年09月26日 コブナグサ 葉の表側は無毛。







09.10年09月26日 コブナグサ 葉先は鋭頭。







10.10年09月26日 コブナグサ 葉の縁は全縁で波打つ。







11.10年09月26日 コブナグサ 葉の基部は心形で縁に毛がある。







12.10年09月26日 コブナグサ 葉鞘に白色の毛が密生。







13.10年09月26日 コブナグサ 葉の裏側は無毛。







14.12年08月26日 コブナグサ 葉舌の長さ1〜2mmでヘリは裂けて毛状の裂片となる。







15.10年09月26日 コブナグサ 花序は掌状に3〜15本の総からなり、長さは3〜6cm。







16.10年09月26日 コブナグサ 小穂の長さは3〜6cmで緑白色〜黒色。総に2裂に並ぶ。芒の長さはいろいろあり写真は長い個体。







17.10年09月26日 コブナグサ 1個の小花は3mm。葯は茶色。芒の長さはいろいろあり約5mmと長い。







18.12年08月26日 コブナグサ 芒が非常に長い個体。







19.文献:日本イネ科植物図譜 長田武正著。
参考:コブナグサ 小さな鱗片はSSと赤丸表示。(SS:不稔(結実性のない)小穂)



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