能代市風の松原植物調査


サカゲイノデ(逆毛猪の手) (オシダ科)常緑性。


深山で温帯生の森林に生じしばしば群生する。
根茎は短く斜上〜直立し鱗片をつける。

葉柄は長さ20〜40cmで密に鱗片をつける。
葉柄下部の大きな鱗片は卵形で長さ約1.5cmでその先に5mmほどの尾状の部分があり膜質で辺縁に毛のある鱗片が密生する。
葉身は2回羽状複葉で長さ1mを越えることもあり長楕円状披針形。

葉柄上部と中軸下面の鱗片は広卵形で淡茶色で膜質で長さ3〜6mmで下向きに軸に圧着してつく(鱗片が坂向きにつくと言うことから逆毛の名前がある)。

小羽片は卵状長楕円形で斜上し鈍頭で先端は軟らかい刺状で辺縁には鋸歯がありその先端は細くて軟らかい棘になる。
葉質はやや厚めの草質で鮮緑色。

胞子嚢群は小羽片の中肋と辺縁の中間かやや中肋寄りにつき苞膜は全縁。

北海道から本州四国。



01.14年05月14日 サカゲイノデ 円形状に開いていなくて片方に寄って開いている固体。




02.14年05月14日 サカゲイノデ 採取した1枚の葉。長さ70cm、葉柄27cm、葉身43cm。最下羽片は、下向きのハの字形。葉身は2回羽状複葉で、長楕円状披針形。




03.14年05月14日 サカゲイノデ 茎の断面は半円形で維管束は7個。




04.14年05月14日 サカゲイノデ 葉柄上部と中軸下面の鱗片は広卵形で淡茶色で膜質で下向きに軸に圧着してつく。

上段写真は表側、下段写真は裏側で同じ位置を記録し、鱗片葉の比較記録をしたものです。

A=柄の最下部。B=柄の中断。C=中軸の最下部。D=中軸の中間。E=中軸の上部。




05.14年05月14日 サカゲイノデ 葉柄最下部につく鱗片葉は薄茶色で長さ10mmで広卵形。




06.14年05月14日 サカゲイノデ 下向きの第一小羽片。




07.14年05月14日 サカゲイノデ 上写真は側羽片。下写真は羽片の表裏。頂羽片は尖る。




08.14年05月14日 サカゲイノデ 小羽軸に裂片。矢印は葉柄。




09.14年05月14日 サカゲイノデ 裂片は卵状長楕円形で斜上し鈍頭で先端は軟らかい刺状で辺縁には鋸歯がありその先端は細くて軟らかい棘になる。葉質はやや厚めの草質で鮮緑色。表、裏とも毛があり、柄は短い。長さ12mm。




10.12年08月09日サカゲイノデ 胞子嚢群は小羽片の中肋と辺縁の中間かやや中肋寄りにつき苞膜は全縁。上写真は1枚の葉につく胞子嚢。下写真は拡大写真。




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