能代市風の松原植物調査


シケシダ(湿気羊歯) (イワデンダ科)夏緑生。


特徴は1回羽状複葉で羽片中裂〜深裂。根茎は横走し、径約2mmで先端に鱗片をつける。
鱗片は線形から披針形で長さ0.5〜1cmで巾1〜2mmで、褐色〜暗褐色。葉柄は藁色で、長さ2〜40(〜60)cmで、基部に密に鱗片があり,上部から中軸にかけては鱗片と多細胞毛がある。

葉身は長楕円形〜長楕円状披針形で先端は徐々に狭くなって鋭尖頭で、下部がやや狭くなることもあり、長さ20〜50cm巾12〜20(〜30)cmで単羽状複生で葉は軟らかい草質。
羽片はやや斜上し線形から線状披針形で長さ7〜12(〜15)cmで巾1〜2.5(〜3)cmで、羽状に中裂から深裂し、基部は広いくさび形で無柄。
裂片は斜上し、長楕円形から三角状長楕円形で長さ8〜18cmで巾3〜7mmで鈍頭からやや鋭頭でほぼ全縁からはっきりした鋸歯縁。中軸や羽軸、葉脈には多細胞毛がある。

胞子嚢群は裂片の中肋と辺縁の中間生で線形、長さ5mmに達する。
苞膜は胞子嚢群を包み込み薄い膜質で辺縁に不規則な突起があり無毛。

本州四国九州の各地で、低山地の流れに近い湿ったところ、特に村落内の溝に沿った石垣や地上にごく普通に見られる。
ナチシケシダと混同されていたがシケシダは温帯から温暖地かけて分布し、葉身や羽片の先端が徐々に狭くなって鋭尖頭に終わり、裂片が鋸歯がはっきりし葉質が薄く苞膜が胞子嚢群を包み込むなどの点ではっきり異なっている。



01.12年09月13日 シケシダ 風の松原内には沢山あるようです。根茎は横走する。




02.12年09月13日 シケシダ 茎の長さは60cmで、葉身半分、葉柄半分の割合。1回羽状複葉で羽片中裂〜深裂。




03.12年09月13日 シケシダ 茎の断面は凹型(維管束が顔に似ている)。




04.12年09月13日 シケシダ 維管束2個。




05.12年09月13日 シケシダ 葉柄基部は藁色。基部に密に鱗片があると図鑑にあるがこの個体はまばら。鱗片は線形から披針形で長さ0.5〜1cmで巾1〜2mmで、褐色〜暗褐色。




06.12年09月13日 シケシダ 葉柄中部の鱗片。上部から中軸にかけては鱗片と多細胞毛がある。多細毛は記録できなかった。




07.12年09月13日 シケシダ 葉身の鱗片。




08.12年09月13日 シケシダ 葉身は長楕円形〜長楕円状披針形で先端は徐々に狭くなって鋭尖頭で、下部がやや狭くなることもあり、長さ20〜50cm巾12〜20(〜30)cm。羽片は互生につく。写真右はアップ写真。




09.12年09月13日 シケシダ 単羽状複生で葉は軟らかい草質。




10.12年09月13日 シケシダ 羽片はやや斜上し線形から線状披針形で長さ7〜12(〜15)cmで巾1〜2.5(〜3)cm。葉の表裏。




11.12年09月13日 シケシダ 葉の表側脈状に毛がある。




12.12年09月13日 シケシダ 羽片の先は尖る。




13.12年09月13日 シケシダ 羽片の葉の先は細かい鋸歯がある。




14.12年09月13日 シケシダ 葉の基部は切形。




15.12年09月13日 シケシダ 葉の裏側脈状に毛がある。




16.12年09月13日 シケシダ 胞子嚢は開いている。




17.12年09月13日 シケシダ 胞子嚢はまるく見える。



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