能代市風の松原植物調査


ジュウモンジシダ(十文字羊歯) (オシダ科)夏緑性シダ植物。


低山〜山地の湿った林床、渓流畔などに生育する夏緑性または常緑性(暖地)シダ。

根茎はやや大きく、斜上して、葉を束生する。

葉は長さ50cm以上になり、草質で、やや硬く、光沢はない。葉柄は葉身よりやや短い。

葉柄基部の鱗片は淡褐色〜褐色、卵状長楕円形、長さ1cm以上となる。

葉身は1回羽状複葉だが、最下羽片だけは大きく、さらに羽状に分裂し、葉は十字形の3出羽状に見える。
羽片はやや鎌状に曲がった3角状披針形、鋭尖頭、縁は鋭鋸歯があり、基部はくさび形、ほぼ無柄、上部の羽片は小型となる。

胞子嚢群(ソーラス)は小さい点状で、苞膜は円形で、早落性。

北海道、本州、四国、九州 。
(参考文献:関西の花)。



01.12年08月30日 ジュウモンジシダ 風の松原内でも一般的見られ丈9cm。根茎は短く直立葉を叢生し鱗片をつける。




02.12年08月30日 ジュウモンジシダ 葉の状態は斜上。




03.12年08月30日 ジュウモンジシダ 丈90cm。葉の表裏。葉柄と葉身の比は同じ。最下羽片が長いのが特徴。矢印。




04.12年08月30日 ジュウモンジシダ 葉柄は長さ45cm。




05.12年08月30日 ジュウモンジシダ 写真左=葉柄部基部につく鱗片葉は淡褐色。写真中央=中部につく鱗片。写真右=上部につく鱗片。鱗片は卵状長楕円形で淡褐色でほぼ全縁か浅い鋸歯縁で、長さ1.3cmに達する。




06.12年08月30日 ジュウモンジシダ 葉柄の断面。維管束4個。




07.12年08月30日 ジュウモンジシダ 葉身は単羽状複生の大きな頂羽片と、同じ構造で小さい1対の側羽片からなり、頂羽片は披針形で鋭尖頭で長さ20〜50cmあり頂羽片の小羽片は(又は大きくなる最下羽片を除く側羽片)は三角状狭長楕円形で鋭頭〜鈍頭で、基部は前側が切形〜やや耳形で、後ろ側はくさび形で、浅裂〜中裂で草質。長さ3〜5cm。




08.12年08月30日 ジュウモンジシダ 単羽状複生の頂羽片。




09.12年08月30日 ジュウモンジシダ 葉は互生につく。




10.12年08月30日 ジュウモンジシダ 最下羽片。




11.12年08月30日 ジュウモンジシダ 羽片の表裏。




12.12年08月30日 ジュウモンジシダ 写真左は、葉身A=葉身中央部から下につく鱗片。写真右は葉身中央部から上部につく鱗片。




13.12年08月30日 ジュウモンジシダ 小葉は中裂して、表側無毛。




14.12年08月30日 ジュウモンジシダ 葉裏に不定形の小さな鱗片があり、葉脈は明瞭。無毛。




15.12年08月30日 ジュウモンジシダ 小葉の基部に短い3mmの柄があり無毛。




16.12年08月30日 ジュウモンジシダ 。胞子嚢は羽片に散在するが中肋の両側に1列につくこともある。苞膜は円形で小さく、辺縁に不規則な鋸歯があり、早落性。




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