能代市風の松原植物調査


スズノヤリ(雀の槍) (イグサ科)多年草。


茎は高さ10〜30cm。頂に塊となった黒色の花序が1個か、まれに2〜3個つく。

大部分の葉は根生葉で、長さ7〜15cm、幅2〜6mmの線形〜広線形で、縁には長い白毛があり、先は硬くなって鈍端。

花茎は直立し高さ10〜30cm、茎葉は2〜3個で小さい。
茎の先に赤褐色の花が多数集まった卵球形の頭花をふつう1個、まれに2〜3個つける。
花被片は6個で広披針形、長さ2.5〜3mm、鋭頭、通常赤褐色を帯びる。
雄しべは6個あり、花被片より短い。
花糸はごく短く、狭長楕円形の葯が目立つ。頭花は、最初に雌しべが成熟し、その後に雄しべの葯が伸びる。

果実はさく果、褐色または黒褐色で花被片とほぼ同長。種子は広楕円形、長さ約1.2mm、黒褐色で下部に種子の約半長の種枕がある。

花期は4〜5月。北海道〜九州。



01.12年05月07日 スズメノヤリ 草地で群生している。




02.12年05月07日 スズメノヤリ 採取した資料。丈22cm。右は一株に分けたもの。




03.12年05月07日 スズメノヤリ 根は地下茎で伸び、細いが非常に強い。




04.12年05月07日 スズメノヤリ 葉鞘に白い毛が沢山ある。茎は無毛。茎の断面は歯車のよう。




05.12年05月07日 スズメノヤリ 葉はほとんど根元に群がっている。




06.12年05月07日 スズメノヤリ 葉の縁に毛がある。下は拡大写真。葉は長い物で7cm幅5mm程度の個体。




07.12年05月07日 スズメノヤリ 花を縦に切断した断面。雄生期の花序。




08.14年0514日 スズノヤリ 花開いた頭花。A=雄しべ(雄生期の頭花)。B=雌性期の頭花。




09.12年05月07日 スズメノヤリ 雄生期の花の断面。




10.14年0514日 スズノヤリ 雌性期の花。A=柱頭3個。B=花被。C=小苞。




11.14年0514日 スズノヤリ 雌性期の花。すでに柱頭は落ちている。A=雄しべ6個は花被片より短く、花糸はごく短い。狭長楕円形の葯が目立つ。花被片6個。B=緑色のが子房。C=小苞。真ん中写真の花径は4mmの個体。




12.14年05月19日 スズメノヤリ 果実期の姿。




13.14年05月19日 スズメノヤリ 果実長さ2.5mm、幅2mm。下の写真は上下逆で記録。三稜形。




14.14年05月19日 スズメノヤリ 1個の果実に3個の種子が入っていた。種子は楕円形で長さ1mmの個体。白いものは種枕?



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