能代市風の松原植物調査


タニウツギ
(谷空木) (スイカズラ科)落葉小高木。


山地の日当たりのよいところではごくふつうに見られる。
下部からよく分枝して株立ちになり、高さ5mほどになる。
樹皮は灰褐色。縦に裂けて、はがれ落ちる。枝は茶褐色ときに紫褐色で、ほぼ無毛。新枝は長くのびるが、やがて上部は枯れる。

葉は対生。葉身は長さ4〜10cm、幅2〜6cmの卵状楕円形。先端は鋭くとがり、基部は円形〜広いくさび形。
縁には細かい鋸歯がある。裏面は全面に白い毛があるが、とくに脈の両側に密生し、脈上には少ない。
葉柄は長さ3〜10mm、有毛で赤みを帯びる。

枝先や上部の葉腋に桃紅色または紅色の花を2〜3個ずつつける。
花冠は長さ2.5〜3.5cmの漏斗形で、先は5裂する。
花筒は下部からしだいに膨らむ。
子房は長さ8〜10mmの細い円筒状で、一見すると花柄のように見える。
雄しべは5個あり、花筒とほぼ同長。
花柱は1個、花筒から少し突き出る。
萼は有毛で基部まで5裂する。萼片は長さ4〜7mm。
苞は長さ2〜6mmの披針形〜線形で、1対ある。

果実はさく果。長さ1.2〜1.8cmの円筒形でかたい。
10月頃熟すと上部が2裂して、長さ1mmほどの楕円形の種子を多数だす。
種子の周囲には翼がある。

冬芽は、長さ3〜7mmの卵形。芽鱗は褐色で7〜8対ある。葉痕は腎臓形〜三日月形。維管束痕は3個。

花期は5〜6月。北海道西部〜本州(主に日本海側)。



01.10年05月30日 タニウツギ 他ではどこにでも見られるますが、風の松原内ではほとんど見ない。




02.10年05月30日 タニウツギ 樹皮は灰褐色で、縦に薄く裂けて剥がれ落ちる。




03.10年05月30日 タニウツギ 葉は対生。




04.10年05月30日 タニウツギ 楕円形〜卵状楕円形。左表・右裏。




05.10年05月30日 タニウツギ 葉の表側表面ですが有毛。




06.10年05月30日 タニウツギ 葉の縁に細かい鋸歯がある。




07.10年05月30日 タニウツギ 基部は広いくさび形叉は円形。




08.10年05月30日 タニウツギ 葉の先端は尾突起。




09.10年05月30日 タニウツギ 文献では葉の裏側の、主脈状はほとんど無毛とありますがこの個体は毛があります。葉の裏側ですが脈状に毛がある。




10.10年05月30日 タニウツギ 托葉。




11.10年05月30日 タニウツギ 本年枝の先端や葉腋から散房花序をだす。上から見ると輪生状に見える。




13.10年05月30日 タニウツギ 雌しべは1個。花柱は花糸よりやや長く、先端に円盤状の柱頭がある。




14.10年05月30日 タニウツギ 花冠は長さ2.5〜3.5cmの漏斗形で筒部は短く、先は5列する。雄しべ5個。円盤状の雌花の柱頭が目立つ。




15.10年05月30日 タニウツギ 花冠は漏斗形。雌しべの柱頭が花冠より突き出る。




16.12年05月24日 タニウツギ 雄しべは5本で、中心部の雌しべの柱頭は円盤状で、やがて脱落する。




17.12年05月24日 タニウツギ 雄しべ5個。雌しべ1個。




18.12年05月24日 タニウツギ 円盤状雌しべ柱頭。




19.12年05月24日 タニウツギ 雄しべの拡大で沢山の花粉を出している。




20.12年05月24日 タニウツギ 密腺と思われる。




21.12年05月24日 タニウツギ 萼片は細長く毛があり、5個。




22.11年05月27日 タニウツギ 1本の刮ハの長さ40mm。




23.11年05月27日 タニウツギ 刮ハの集合体。乾燥すると先端から2裂する。




24.11年05月27日 タニウツギ 種子は翼を含めて長さ1.5mm。ギョウザみたいです。




25.16年02月13日 タニウツギ 冬芽。頂芽は円柱形で長さ7mm。側芽は対生に着き5mmで卵形。芽鱗は褐色で7〜8対ある。




26.16年02月13日 タニウツギ 葉痕は腎臓形〜三日月形。維管束痕は3個。




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