能代市風の松原植物調査


ツタウルシ(蔦漆) (ウルシ科)つる性落葉木本。


山地の落葉樹林内に生える。
つるから気根を出して、ほかの樹木の幹をはい登り、日の当たる樹冠部で枝を広げる。
秋には紅葉する。

樹皮は黒褐色。若枝には褐色の毛が密生するが、のちに無毛になり、小さい皮目が無数にできる。

本年枝は直径2〜5mm。冬芽は裸芽で褐色の毛が密生する。
頂芽は長さ4〜8mm。側芽は球形〜卵形で長さ1〜3mm。
葉痕はハート形〜腎臓形でやや隆起する。維管束痕は7個。

葉は互生。3出複葉。小葉は卵形または楕円形で、先は短くとがり、基部はくさび形または円形。側脈は7〜9対。
頂小葉は長さ5〜15cm、幅3〜9cm、側小葉は長さ5〜12cm、幅3.5〜7cm。表面は無毛、裏面は側脈の基部に褐色の毛が密生する。
成木の葉は全縁だが、幼木の葉には粗い鋸歯がある。

雌雄別株。葉腋から総状花序をのばし、黄緑色の小さな花を多数つける。
花序は長さ3〜5cm。花弁は5個、長さ約3mmの長楕円形で、雄花も雌花も反り返る。
雄花の雄しべは5個。雌花には退化した雄しべが5個と雌しべが1個ある。
花柱は3裂する。

果実は核果。直径5〜6mmの扁球形で縦の筋があり、表面には短い刺毛が散生する。
8〜9月に黄褐色に熟す。のちに外果皮ははがれ、白いロウ質の中果皮が露出する。
核は黄褐色で扁球形。

花期は5〜6月。北海道〜九州。



01.08年10月16日 ツタウルシ 風の松原内はツタウルシの繁殖が凄い。




02.08年10月16日 ツタウルシ この個体の樹皮は茶褐色で皮目がある。気根を出して這い登る。




03.08年10月16日 ツタウルシ 葉は3出複葉で互生。




04.11年11月18日 ツタウルシ 小葉は長さ約10cmの卵形〜楕円形で全縁。長柄がある。




05.11年11月18日 ツタウルシ 葉の表側無毛。




06.11年11月18日 ツタウルシ 葉の小葉には荒い鋸歯があり、成長とともに次第に全縁となる。




07.11年11月18日 ツタウルシ 葉の先尖る。




08.11年11月18日 ツタウルシ 小葉の基部は楔形。基部は赤味がかる。




09.11年11月18日 ツタウルシ 葉の裏側は無毛。




10.08年10月16日 ツタウルシ 裏面の脈の基部に褐色の毛がある。




11.11年11月18日 ツタウルシ 葉柄無毛。




12.11年11月18日 ツタウルシ 表側小葉柄は赤褐色。




13.11年06月03日 ツタウルシ 雌花。




14.11年06月03日 ツタウルシ 雌花 花弁5個で反り返る。花柱3個。




15.11年06月03日 ツタウルシ 花弁をい取り除いた雌花。A=子房。B=花柱3個。




16.11年06月03日 ツタウルシ は雌花の径4.5mm程。萼片は5個。




17.11年06月04日 ツタウルシ 雄しべは葉腋に円錐花序を出し、黄緑色の花を開く。




18.11年06月04日 ツタウルシ 花を半分に切断してみました。退化した雌しべ。




19.11年06月04日 ツタウルシ 雄花には5本の雄蘂があり、中央に退化した雌しべがある。花弁5個は雄しべも同じで反り返る。写真下は花弁を取り除いたもの。




20.10年06月02日 ツタウルシ まだ若い果実と下は熟した果実。




21.08年10月25日 ツタウルシ 果実は核果。扁球形。短い刺毛が散生する。写真下、割れ落ちた外果皮の中から白いロウ質の中果皮に覆われた核が顔を出す。核には,茶褐色のスジがある。種子は凸凹がある。




22.10年01月17日 ツタウルシ 冬芽は裸芽で褐色の毛が密生する。頂芽は長さ4〜8mm。側芽は球形〜卵形で長さ1〜3mm。




23.10年01月20日 ツタウルシ 葉痕はハート形〜腎臓形でやや隆起する。維管束痕は7個。




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