能代市風の松原植物調査


ツガ(栂) (マツ科)常緑高木。雌雄同株。


丘陵から山地の尾根や痩せ地に生え、モミと根生することが多い。幼木は耐陰性が強く暗い林床でもよく生育する。
樹形は、高さ20〜25m径60cmほどになる。樹冠は広い円錐形。モミ類に比べるとまとまりがなく老木になるにつれて樹形は崩れる。

樹皮は赤褐色又は灰褐色で、古くなると縦長に不規則に深く裂けて落ちる。1年枝は淡黄褐色で無毛。光沢がある。
冬芽は、卵状球形。芽鱗に包まれ,芽鱗の縁に褐色の毛がある。大きさは3o程度でよく見ないと気付かない。

葉は、長さ1〜2cmの偏平な線形で、同じ枝でも長短の差が激しい。
基部には長さ1〜1.5mmの柄がある先端は凹むがモミのように針状に尖らない。
表面はやや黄色がかった緑色でシラビソやモミなどの青みを帯びた緑色とは異なる。
裏面は白い2本の気孔帯が目立つ。葉枕は目立つ。

花は雌雄同株。雄花は卵形で長さ5〜6mmの柄がある。
雌花は前年枝の先につく。

球果は長さ2〜3cmの楕円形〜卵形で、熟すと花柄は曲がる。
種鱗は1cm程のほぼ円形。
種子は長さ約4mmで、種子本体より長い翼がある。

花期4〜6月。本州(福島県以南)、四国、九州(屋久島まで)。



01.10年02月23日 ツガ 手前がツガで、奥の大きい木がスギです。




02.10年02月23日 ツガ 樹皮 松の木の樹皮に似ているが、それよりも表皮が薄くすぐに剥がれる。色は薄茶色。




03.10年02月23日 ツガ 枝の樹皮。すぐに剥がれます。




04.10年02月23日 ツガ 沢山の球果がついた枝。




05.10年02月23日 ツガ 長短枝。




06.10年02月23日 ツガ 葉は枝を中心に放射状に伸びる。葉は互生するが、横に伸びる枝では左右に並ぶ傾向があり、平坦な互生に見える形に葉を展開する。




07.10年02月23日 ツガ 写真左、表の葉。光沢があり、葉の先端は鈍頭から凹端となり、さわっても痛くない。写真右、裏側の葉には2本の気孔帯があります。葉の長さにくらべ葉柄は短い。1枚1枚の葉に,短いながらもきちんと葉柄があるのは,ツガやコメツガの特徴。




08.10年02月23日 ツガ 短いながらもきちんと葉柄があるのは、ツガやコメツガの特徴。葉は柄に対して直角に開く。囲いは葉枕。




09.11年04月05日 ツガ 葉の表無毛。




10.11年04月05日 ツガ 葉の先端は窪んでいる。




11.11年04月05日 ツガ 気孔帯をよく見てみると点線状になっている。




12.10年02月23日 ツガ 葉の断面。上が表面。下が裏側。表側の中央脈が凹む。




13.11年05月25日 ツガ 雌花。




14.11年05月25日 ツガ 写真上は、雌花は長さ3mmになったばかり。写真下は05月07日記録。




15.11年05月07日 ツガ 雌しべの先端。




16.11年05月25日 ツガ 写真上下とも雄花。盛んに花粉を出している。.




17.11年05月25日 ツガ 雄しべは5個で葯が薄緑色。




18.10年02月23日 ツガ 球果。写真下、球果の柄は熟すと曲がる。




19.10年02月23日 ツガ 種子には翼がある。長さ8〜11mm。種子は扁平で楕円形で長さ4mmほど。




20.11年04月05日 ツガ 冬芽。芽鱗に包まれ,芽鱗の縁に褐色の毛がある。大きさは3o程度でよく見ないと気付かない。




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