能代市風の松原植物調査

植物名一覧表
科別一覧表
更新履歴
風の松原の成り立ち
風の松原に守られる人々の会 ボランティア活動
ルーペの会観察記録
シダの会観察会
参考図書
登山記録
リンク集



ヤツデ(八手) (ウコギ科)常緑低木 雌雄同株。

暖地では人家付近や、社寺林など、いたるところで見られる。
高さは1?3mになる。
樹皮は灰褐色。茎の上部には多数の葉痕があり、縦長の大きい皮目がある。
若い枝は緑色、褐色の長い毛が生える。余り分枝しない。
冬芽の頂芽は卵形で先はとがる。葉痕は半月形またはV字形で、維管束痕は13?15個。
花芽は夏にでき、初冬に開花する。花序の軸のわきにできた葉芽が翌年の春にのびる。
葉は互生。枝先に集まってつく。葉身は直径20?40cmと大きく、掌状に深く7?9裂する。基部は浅いハート形。裂片のふちには粗い鋸歯がある。質は厚くて光沢がある。
展開したての葉や葉柄は褐色の毛に覆われる。のち無毛になるが、裏面には縮れた毛がすこし残る。
葉柄は長さ30cm。
雌雄同株。枝先に球形の散形花序を円錐状につけ、白い小さな花を多数つける。
上部の花序には両性花、下部の花序には雄花がつく。
花序の軸には褐色の毛が密生する。
花弁は5個、卵形で長さ3?4mm。雄しべは5個、葯は白色。花柱は5個。両性花は雄しべ先熟で、雌しべが成熟する前に雄しべが花粉を散らし、自家受粉を避けている。
萼筒は長さ約3mmの鐘形。
果実は液果。直径7?10mmの扁球形。翌年の4?5月に赤褐色から黒紫色に熟す。先端には花柱が残る。
種子はややゆがんだ扁平な楕円形で長さ4?5mm。
花期は10?12月。
茨城県以南の太平洋側?沖縄の海岸から丘陵の林内に自生する。



01.08年11月01日 ヤツデ 風の松原内で見られる。ヤツデの幼木。




02.13年04月06日 ヤツデ 灰色で縦長の大きな皮目がある。




03.08年10月28日 ヤツデ 葉は互生。枝先に集まってつく。掌状に深く7〜9裂する。ふちには粗い鋸歯がある。




04.13年04月06日 ヤツデ 葉身は直径20?40cmと大きく、掌状に深く7?9裂する。葉柄の長さ30cm。




05.13年04月06日 ヤツデ 葉の形は掌状で、この個体は9深裂。葉脈11本で毛がある。




06.13年04月06日 ヤツデ 葉の表裏とも無毛。




07.13年04月06日 ヤツデ 葉の縁に鋸歯がある。




08.13年04月06日 ヤツデ 葉の先は曲がって尖る。




09.13年04月06日 ヤツデ 葉の一部の断面。葉の表裏ともやはり無毛でした。主脈の断面が顔に似ています。




10.13年04月06日 ヤツデ 葉は互生。葉柄基部を横から見たもの。




11.13年04月06日 ヤツデ 基部は浅いハート形。若い基部に苞膜があり段々脱落するようです。




12.13年04月06日 ヤツデ 葉柄は非常に硬く木質化しているように感じられます。葉柄は無毛で円形で芯は白い髄が詰まっております。内側は歯車のようになっており力学的になっているのでしょうか。




13.08年10月28日 ヤツデ これから花をつける蕾。萼片が剥がれてきた蕾。




14.08年11月01日 ヤツデ 花は茎の先に散形花序を円錐状に多数つけている。1つの散形花序には、多数の白い花が付く。1つの花には、雄性期と雌性期があり、初めは花弁と雄しべがある雄性期。両方が落ちると、柱頭が伸びて雌性期になる。自家受粉を避ける工夫のようです。花弁、雄しべ、花柱は5個。雄性期で5個の花弁が開き,5個の雄しべが成熟している。




15.08年10月28日 ヤツデ 雄花は花柱が短くて合着する。




16.13年04月06日 ヤツデ 葉痕はV字形です。維管束は13〜15個。





inserted by FC2 system