能代市風の松原植物調査


タツノヒゲ(竜の鬚) (イネ科)多年草。


温帯林中に生える。
稈 は直立、高さ40〜80cm、新芽は光沢のある硬い鱗片に包まれる。

葉は長さ20〜30cm幅8〜13mmで、ほとんどが基部近くでよじれ、葉身の表面(向軸面)が下を向き、裏面(背軸面)が上を向くが両面とも緑色で光沢がある。
葉舌は高さ0.5〜1mm。花序は長さ10〜20cmで、枝はごくまばらで各節から1〜2本、まれに3本出て又上に枝分かれを繰り返し、糸状の枝先に緑色の小穂をつける。

小穂は1〜3(まれに4)小花からなり、苞穎は微小で長さ1〜1.5mmで白色膜質。
若いうちは小花がまとまって全体が1個の小花らしく見えるが後には小軸が伸びて小花の間が離れそれぞれ1個の小花がまるで1個の小穂のように見える。
護穎は緑色で、太い3脈と細い2脈をもち背は円い。
内頴は護穎とほぼ同長で、2脈があって竜骨となり、竜骨はほとんど平滑である。
雄しべは2個で葯は長さ1mm。果実は生長後まもなく頴の間から外に長く突き出し、果実の頂には白色の乳頭がある。

各小花から先端に白い乳頭をもつ果実の伸び出した姿は特異でそれだけで同定できる。

花期8〜9月。北海道〜沖縄。



01.13年07月19日 タツノヒゲ 茎が細く又穂も小さく中々記録が難しい。風の松原内では、歩道の脇に群生している。




02.13年07月19日 タツノヒゲ 採取した個体で、丈80cm以内。葉が幅広く雑草のように見える。1本の茎に葉は4枚程度つく。葉の長さは25cm程。




03.13年07月19日 タツノヒゲ 主根はもの凄い張りで根茎で生育している。




04.13年07月19日 タツノヒゲ 茎には毛が密生。




05.13年07月19日 タツノヒゲ 茎の断面です。多少楕円形で芯は中空。




06.13年07月19日 タツノヒゲ 節で茎は曲がり、節は無毛。




07.13年07月19日 タツノヒゲ 葉の長さは25cm程度で、1本の棹に葉が4枚程度つきます。細い棹に巾の広い葉がついていますので大きく見える。葉質は薄い。




08.13年07月19日 タツノヒゲ 葉の表側無毛で葉の巾は15mm程度。表側はすべすべしている。




09.13年07月19日 タツノヒゲ 葉の裏に毛が散生。ザラザラした刺状のものがある。




10.13年07月19日 タツノヒゲ 葉の縁に歯列(微鋸歯)がある。




11.13年07月19日 タツノヒゲ 葉鞘口部。葉鞘仁毛がある。葉舌は膜質。




12.13年07月19日 タツノヒゲ 葉鞘口部を開いてみようとしましたが硬くて開けません。葉鞘の縁に毛がある。




13.13年07月19日 タツノヒゲ 葉舌は高さ1mm程。




14.13年07月19日 タツノヒゲ 穂は小さく円錐花序につける。線香花火のよう。




15.13年07月19日 タツノヒゲ 小穂全体の長さは20mm程度で、花柄はクネクネ曲がっていて14ッm程度で、小穂は5mm程。




16.13年07月19日 タツノヒゲ 小穂の花柄に上向きの毛がある。




17.13年07月19日 タツノヒゲ 小穂ですが苞穎が透き通るような感じがします。小花が2個ついているよう。小花の先に白いものは雌しべ。雄しべは時期が遅く脱落したようです。




18.13年07月19日 タツノヒゲ 1個の小花は3mm程度で私にはこれ以上の分解は無理。



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