能代市風の松原植物調査


カナムグラ(鉄葎)(クワ科)1年草・雌雄異株。


道ばたや荒れ地に生えるツル性の1年草。茎や葉柄に下向きの刺がある。

葉は対生し、長さ5〜12cmで緑色で長く伸び、下向きの棘で他物にからまる。
葉は長柄があって深く掌状に5〜7裂し、葉面は粗い毛があってざらつく。葉柄基部に披針形の托葉がある。

雄花は大きな円錐形の花序を作り、萼片5で雄しべ5個。雄花が開くと雄しべが垂れ下がり風に揺れて花粉を散らす。花糸は扁平でしかも先端は糸状に細い。
雌しべは鱗片状の苞に抱かれ、10個内外が集まり、花序は雄花序よりはるかに小型で下向きに垂れ、球穂状花状につく。花は1子房2花柱を持つ。花柱は柱頭部の毛で空中の花粉をとらえる。

果実は厚いレンズ形で、径5mmほどで同型の萼に包まれている。果皮と種皮を取り除くと巻き貝のように巻いた白い胚が出てくる。この特異な形の胚は属の特徴。カラハナソウにも見られる。

花期は8〜10月。北海道〜九州。



01.08年11月17日 カナムグラ 生育状態。多種に覆い被さっている。




02.09年08月23日 カナムグラ 葉は対生し、長さ5〜12cmで掌状に5〜7深裂。





03.09年08月23日 カナムグラ 蔓を切った状態。




04.12年10月14日 カナムグラ 葉柄に下向きの棘がある。触っても痛くはないがザラザラ感がある。蔓には稜があり捻れているよう。下写真は茎の断面。芯は6角形中空。




05.12年10月14日 カナムグラ この葉は非常に大きい葉。普通は約7cm位。葉柄も長く7cm位。裏面の脈は浮きでてはっきりしている。




06.12年10月14日 カナムグラ 葉の表面に刺状の毛があるが触っても痛くない。




07.12年10月14日 カナムグラ 縁全てに鋸歯があり先に棘がある。




08.12年10月14日 カナムグラ 先端は尖る。




09.12年10月14日 カナムグラ 葉の基部。




10.12年10月14日 カナムグラ 細脈にも棘がある。




11.12年10月14日 カナムグラ 葉柄基部に披針形の托葉がある。




12.12年10月14日 カナムグラ 雌しべは鱗片状の苞に抱かれ、10個内外が集まる。




13.12年10月14日 カナムグラ 雌花を上面から。雌しべは数個が集まってつく。下写真は雌花を側面から。




14.12年10月14日 カナムグラ 1個の雌しべは苞に包まれている。子房から2個の柱頭が伸びる。花柱に毛がある。




15.12年10月03日 カナムグラ 雄花は長い円錐花序になる。




16.12年10月14日 カナムグラ 雄しべはこのように垂れ下がっている。




17.12年10月14日 カナムグラ 雄しべです。短い花糸に大きな葯が垂れ下がる。雄花の外側には毛が密生する。




18.12年10月15日 カナムグラ 種子は丸く意外と大きい。



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