能代市風の松原植物調査


ケヤキ(欅) (ニレ科)落葉高木。雌雄同株。


丘陵や山地に生える。川岸などに多い。高さ20〜25m、直径1.5mほどになる。こんもりとした円形の樹冠をつくる。

樹皮は灰白色。なめらかだが、老木になると鱗片状にはがれる。小さなまるい皮目が多い。
本年枝は暗褐色で細く、仮軸分枝するのでジグザグに屈曲する。皮目はまるい。
細かい白色の軟毛がある。

葉は互生。葉身は長さ3〜7cm、幅1〜2.5cmの狭卵形〜卵形。
先端は長く鋭くとがり、基部は浅い心形で、縁には鋭い鋸歯がある。
表面はややざらつく。側脈は8〜18対、鋸歯の先端に達する。葉柄は長さ1〜3mm。

雌雄同株。葉の展開と同時に開花する。雄花は新枝の下部に数個ずつ集まってつく。雄花には4〜6裂する花被と4〜6個の雄しべがある。
雌花は新枝の上部の葉腋にふつう1個ずつつくが、まれに3個ほど束生することもある。
雌しべは1個。花柱は2裂し、柱頭の上面には乳頭状の突起が密生する。
雌花には雄しべが全くないものと、小さな退化した雄しべが数個あるものがある。

果実はそう果。稜角のあるゆがんだ扁球形で、長さ4〜5mm。10月に暗褐色に熟す。

冬芽は卵状円錐形で長さ2〜4mmと小さく、枝から離れてつく。
芽鱗は紫褐色で8〜10個。
葉痕は半円形。維管束痕は3個。

花期は4〜5月。本州〜九州。




01.13年03月03日 ケヤキ 冬季の樹木の全体。上写真。下写真は雪の重みで折れた枝。







02.09年06月01日 ケヤキ 樹皮。若木では灰白色で平滑(左写真)、成長すると鱗片状に剥がれる(右写真)。







03.11年05月22日 ケヤキ 1年枝は細く、ジグザグに折れ曲がる。葉は互生。







04.11年05月22日 ケヤキ 葉の表側(左写真)と裏側(右側写真)。葉は長さ2〜7cmの卵形〜卵状披針形。葉柄の長さ1cm。







05.11年05月22日 ケヤキ 葉の表側は無毛。







06.11年05月22日 ケヤキ 葉先は鋭くとがる。







07.11年05月22日 ケヤキ 整然とした、鋭い鋸歯がある。







08.11年05月22日 ケヤキ 基部は円形〜やや心形。葉柄は無毛。







09.11年05月22日 ケヤキ 葉の裏側は淡緑色で脈が浮きでていて、無毛。







10.11年05月22日 ケヤキ 葉の裏側から記録。雌花は葉腋から出て、上部に1〜3個つく。雄花は雌花の後ろ側につく。








11.13年05月21日 ケヤキ 雌花は子房から2本の花柱が出て、その花柱に白い毛があり、花柱は深く2裂する。







12.13年05月21日 ケヤキ 雌花を半分に切断。長さは1mm。子房に液果が入っている。これが熟すと空になる。







13.13年05月21日 ケヤキ ポス花を沢山つける。淡黄緑色で小さく、本年枝の下部の葉腋に数個ずつ集まってつく。







14.13年05月21日 ケヤキ 雄花は総状につく(上写真)。1個の雄花(下写真)。







15.13年05月21日 ケヤキ 雄しべは6個(上写真)で4mmで、苞葉に包まれる。縦に切断(下写真)








16.11年05月22日 ケヤキ 雄花の花被は4〜6裂し,4〜6個ある。雄しべの長さは2mmで花糸は白色で無毛。







17.11年06月16日 ケヤキ そう果のつきかた。







18.11年06月17日 ケヤキ そう果は稜角のあるゆがんだ扁球形。







19.11年06月17日 ケヤキ 実を半分に切断。A=花柱の名残。B=種子。









20.13年03月03日 ケヤキ 冬芽は、円錐状卵形で、横に開出する。芽鱗は紫褐色で8〜10枚が4列に並ぶ。葉痕は楕円形で維管束1個。






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