能代市風の松原植物調査


クリ (栗)(ブナ科)落葉高木。


丘陵から山地に生える。高さ17m、直径1mほどになる。大きな樹冠をつくる。

樹皮は灰黒色。老木になると、大きな割れ目が入る。本年枝は淡緑色。黄褐色の星状毛または微毛がある。
2年枝は紫黒色で無毛になり、円い小さな皮目が散生する。

葉は互生。葉身は長さ7〜14cm、幅3〜4cmの長楕円形で、薄い革質。
先端は鋭く尖り、基部は円形またはハート形。
縁には先端が針状の鋸歯がある。
表面は濃緑色で光沢があり、主脈に沿って星状毛がある。
針状の鋸歯の先端まで葉緑素が入っている。
裏面は淡緑色で、小さな腺点が多数ある。側脈は6〜23対。
葉柄は長さ5〜15mm。
托葉は長さ8〜10mmの卵状披針形で、開葉後まもなく落ちる。

雌雄同株。新枝の葉の脇から長さ10〜15cmの尾状花序をやや上向きにだす。
花序につく花はほとんどが雄花で、基部に雌花がつく。
雄花は無柄で半円形の苞の脇に7個ほどが集まってつく。
雄しべは約10個。花被の外にとびでる。
雌花は緑色の総苞(若いいが)の中に3個ずつ入っている。
総苞は花時には直径3mmほどの球形。
外面は先端が鋭い卵状披針形の鱗片に覆われている。
花柱は長さ3mmほどの針状で、9〜10個あり、総苞の外にとびでる。

果実は堅果。その年の秋に熟す。
殻斗(いが)は扁平な球形で、外面に長さ1cmほどの刺が密生する。
堅果が成熟すると殻斗は4つに割れる。
中には褐色の堅果が普通3個が入っている。
堅果の大きさにはかなりの変化がある。

冬芽は、長さ2〜4mmの卵形〜広卵形でやや扁平。クリの実に似た形をしている。
芽鱗は2〜3個。頂芽はない。仮頂芽は側芽よりやや大きい。
葉痕は半円形。

花期は6月。北海道(石狩・日高地方以南)〜九州。



01.12年06月30日 クリ 風の松原内には松に囲まれた日当たりの悪い所に生育。




02.12年06月30日 クリ 老木になると縦向きの深い割れ目が入る。




03.11年07月16日 クリ 本年枝は緑色で皮目がある。無毛。




04.11年07月16日 クリ 葉は互生。




05.11年07月16日 クリ 葉身は長さ7〜14cm、幅3〜4cmの長楕円形で、薄い革質。




06.11年07月16日 クリ 葉の表側。表面は無毛で主脈状に星状毛ある。星状毛は写真では不明。




07.11年07月16日 クリ 縁には先端が針状の鋸歯がある。




08.11年07月16日 クリ 葉先は尖る。




09.11年07月16日 クリ 葉の基部は楔形。




10.11年07月16日 クリ 葉柄は約2cmで短毛がある。




11.11年07月16日 クリ 葉の裏側無毛。葉脈が浮きでる。




12.12年06月30日 クリ 沢山の雄花。




13.12年06月30日 クリ 雄花は葉腋から出る。




14.12年06月30日 クリ A=雄花の拡大。B=雄花の面で放射状に出る。C=雄花を縦に切断した断面で、長さは4〜6mm。




15.12年06月30日 クリ 雄花の雄しべを落とした後の花被は6個。




16.12年06月30日 クリ 雄しべ裏側萼片。




17.12年06月30日 クリ 雄花の葯は薄茶色で花糸は白色で無毛。




18.12年06月30日 クリ 葉の脇から長さ10〜15cmの尾状花序をやや上向きにだす。花序につく花はほとんどが雄花で、基部に雌花がつく。




19.11年07月16日 クリ 上写真は雌しべ正面から。下写真は雌しべを横から。雌花は緑色の総苞(若いいが)の中に3個ずつ入っている。




20.12年06月30日 クリ 雌しべを縦に切断。A=雌しべ。B=総苞。総苞の中に3個入っている。C=イガ。D=子房が堅果となる。




21.12年06月30日 クリ 花柱は長さ3mmほどの針状で、9〜10個あり、総苞の外にとびでる。







22.12年06月30日 クリ 雌しべを半分に切断。栗の形がでてきている。




23.12年09月29日 クリ 果実が稔ってきた固体。




24.12年09月29日 クリ 堅果が稔る。




inserted by FC2 system