能代市風の松原植物調査


イヌコリヤナギ
(犬行李柳) (ヤナギ科)落葉低木で雌雄異株。


生育地は乾燥した場所にも生えるが、川沿いに多い。最も普通に見られるヤナギ。

樹形は高さは普通1.5m程まれに6m程になり、株立ちになる。
樹皮は暗灰色で滑らか裸材に隆起条は無い。新枝は黄褐色で細く密集して真っ直ぐに伸びる。
冬芽については、花芽は卵形で長さ5〜8mmと小型。葉痕は半円で維管束1個。

葉は主に対生だが互生も混じる。葉身は長さ4〜10cm、幅1.3〜2cmの長楕円形。縁には浅い鋸歯がある。新しい葉の縁には巻かない。両面とも無毛。葉柄は殆ど無い。明るい緑色の葉が特徴。

花は雌雄異株で、花期は3月葉の展開前に開花する。花序は細い円柱形で殆ど無柄。
雄花序は長さ2〜3cm。雄しべは2個花糸は合着して1個。基部には腺体が1個ある。葯は紫紅色。
雄花の苞の上部は黒色。中部は淡紅色。下部は淡緑色。
雌花序は長さ1.5〜2.5cm。子房は卵形で淡緑色。花柱は短く、柱頭は黄緑色〜紅色。腺体は1個。苞は倒卵形で、両面に長い白色の毛がある。

果実は刮ハで、5月に成熟して裂開する。

虫えいがバラの花に似ていて「柳のバラ」と呼ばれる。

花期は3月。北海道、本州、九州、四国.




01.13年04月24日 イヌコリヤナギ 風の松原内では湿地帯に生育している。




02.13年04月24日 イヌコリヤナギ 樹皮は暗灰色で滑らかです。




03.13年04月24日 イヌコリヤナギ 本年枝は緑色をしている




04.13年04月23日 イヌコリヤナギ 新枝は黄褐色と文献にありますが、私が見たこの個体はどちらかというとくすんだ緑がかった色をしていました。




05.14年05月19日 イヌコリヤナギ A写真は葉の全体。B写真はAの一部の記録。CはBの葉を下から記録したもの。DはCの葉の表裏。葉質は薄く、長楕円形。長さ2〜5cmの個体。葉は対生につく。




06.14年05月19日 イヌコリヤナギ 葉の表側無毛。




07.14年05月19日 イヌコリヤナギ 葉の先微突起。




08.14年05月19日 イヌコリヤナギ 小さく浅い鋸歯がある。




09.14年05月19日 イヌコリヤナギ 葉の基部円形。柄は基部に続く。




10.13年04月29日 イヌコリヤナギ 花序につく苞は4〜6個で、今の時期は反りかえっています。




11.13年04月29日 イヌコリヤナギ 包葉の大きさは6mmぐらいです。写真上表側で、下が裏側です。包葉の形は卵形です。鋸歯はありません。先鈍頭から尖るものまで。表裏とも毛がある。




12.13年04月23日 イヌコリヤナギ 花は対生につきます。




13.13年04月23日 イヌコリヤナギ 雌花序はやや垂れるようにつく。雌しべに蟻が沢山蜜を吸いに群がって来ていました。蜜を相当に出すようです。




14.13年04月23日 イヌコリヤナギ 花序は細長い円柱形で花柄は白い毛に覆われて、います。雌花は長さ3〜5cm程度でした。文献には1.5cm〜2.5cmとありますがこの個体の雌花序は長いです。




15.13年04月23日 イヌコリヤナギ 雌花の柱頭は2裂していて苞又は子房からの白色の毛が沢山伸びている。




16.13年04月23日 イヌコリヤナギ 花柄は3〜4mm程度で白い毛に覆われています。




17.13年04月23日 イヌコリヤナギ 雌花序の横の断面です。




18.13年04月23日 イヌコリヤナギ 雌花序の縦の判断面です。柱頭が2裂して苞がよじれているのが解ります。又苞の先端は黒色です(矢印)。




19.13年04月23日 イヌコリヤナギ 1個の雌花。長さ3mm〜4mmで柱頭は赤く2裂している。子房は卵形のようです。とにかく雌花序は白い毛に覆われている。苞(矢印)は倒卵形で両面に長い白色の毛がある。




20.13年04月29日 イヌコリヤナギ 雄花の状態。




21.13年04月29日 イヌコリヤナギ 上段写真は雄しべ葯が熟して花粉分をを出し始めた雄しべ。中断写真は雄花全体。又雄しべ葯が赤く熟していない花穂。下段写真は雄しべ葯がまだ破れていない花序の縦の断面です。矢印が苞と腺体のようです。




22.13年04月29日 イヌコリヤナギ 雄しべの横の断面です。雄しべがきれいに放射状にでています。黄緑色の腺体が見える。合成写真は熟して葯が割れて花粉を出してきた花序を横に切断したもの。




23.13年04月29日 イヌコリヤナギ 1個の雄しべですが、花粉を出し始めると多少は長くなるようです。1個の雄しべの長さは5mmぐらいです。矢印の苞と腺体と思われます。




24.13年04月23日 イヌコリヤナギ 葉痕。




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