能代市風の松原植物調査


ウゴツクバネウツギ(衝羽根空木) (スイカズラ科)落葉低木。


日当たりのよい丘陵や山地に生える。よく分枝して茂り、高さ2mほどになる。
樹皮は灰褐色。
冬芽は長さ2〜3mmの卵形。芽鱗は約6対。

葉は対生。葉身は長さ2〜6cm、幅1〜4cmの卵形〜楕円状卵形。先はしだいに細くなってとがる。基部は広いくさび形〜円形。縁には不規則な鋸歯があり、裏面の主脈の基部の両側に白色の短い開出毛が密生する。葉柄は長さ1〜3mm、有毛。

新枝の先にふつう2個ずつ花をつける。子房は長さ5〜10mmで細長く、一見花柄のように見える。
花は白色、ときに淡黄色や淡紅色を帯びる。
花冠は長さ2〜3cmの漏斗状で、細い花筒からやや急に鐘状に広がる。先はやや唇状で、上唇は2裂、下唇は3裂する。下唇の内側に橙色の網状紋がある。
雄しべは4個、花柱は1個。花筒の基部には棍棒状または球状にふくらんだ蜜腺がある。
萼は基部まで5裂し、萼片は長楕円形で長さ5〜12mm。

果実はそう果。長さ8〜14mmの線形。9〜11月に熟す。種子は長さ約5mmの細長い円柱形。ツ

クバネウツギとの区別は若い枝や葉柄にまっすぐに立った毛があることで出来る。

名前の由来は羽後秋田と山形の一部の地方に多く自生して果実の様子が羽根つきの玉に似て木の姿がウツギに似ることによる。

花期は5〜6月。新潟県〜東北地方の日本海側。



01.15年05月07日 ウゴツクバネウツギ 松林の林下に群生していた。




02.15年03月26日 ウゴツクバネウツギ 樹皮は白灰褐色で縦に裂け目がある。




03.15年03月26日 ウゴツクバネウツギ 枝はよく分枝する。




04.15年05月07日 ウゴツクバネウツギ 写真左、前年枝にまばらだが毛がある。写真右は、新枝にはまっすぐに立った毛がある。写真右下は新枝の断面には、稜がある。




05.15年05月07日 ウゴツクバネウツギ 写真上、新枝に2個ずつ葉をつける。葉は対生。写真下、葉の長さ3から8cm。




06.15年05月07日 ウゴツクバネウツギ 卵形〜楕円状卵形。




07.15年05月07日 ウゴツクバネウツギ 葉の表側無毛。




08.15年05月07日 ウゴツクバネウツギ 先はしだいに細くなってとがる。




09.15年05月07日 ウゴツクバネウツギ 葉の縁に不揃いな鋸歯がある。




10.15年05月07日 ウゴツクバネウツギ 葉の基部は広いくさび形。




11.15年05月07日 ウゴツクバネウツギ 葉柄は長さ5mmで縁にまっすぐに立った毛がある。




12.15年05月07日 ウゴツクバネウツギ 裏面の主脈の基部の両側に白色の短い開出毛が密生する。




13.15年05月07日 ウゴツクバネウツギ 新枝の先にふつう2個ずつ花をつける。写真下は上から。花冠の長さ30mm。




14.15年05月07日 ウゴツクバネウツギ A=苞葉は花後脱落するようです。B=萼。




15.15年05月07日 ウゴツクバネウツギ 写真上、花冠の外側は毛がある。写真下は萼片を取り除いたもの。花冠の長さ30mm。




16.15年05月07日 ウゴツクバネウツギ 花柄毛がある。




17.15年05月07日 ウゴツクバネウツギ 1個の花を開いて見た。A=下唇。B=上弁?。C=雄しべ4個で短いもの2個。長いもの2個。D=雌しべ1個で雄しべよりも長く、突き出る。




18.15年05月07日 ウゴツクバネウツギ 下唇の斑紋は、それぞれの花によって微妙に違う。花冠内側にも毛がある。




19.15年05月07日 ウゴツクバネウツギ 写真上は、2個の雄しべは長く26mm。2個の短い雄しべ22mm。葯は鋭角内側に曲がる。写真下は花糸は白色で毛がある。




20.15年05月07日 ウゴツクバネウツギ 写真上、雌しべ長さ30mm。写真下は、花柱は白色で毛がある。




21.15年05月07日 ウゴツクバネウツギ 写真上、萼は基部まで5裂し、萼片は長楕円形で萼5個で径17mm。写真下は萼表裏に毛があり縁にも毛がある。1個の萼片の長さ9mm。




22.15年03月26日 ウゴツクバネウツギ 果実期の萼片と果実。




23.15年03月26日 ウゴツクバネウツギ 子房には隆条になっており棍棒状。長さ6mm。




24.15年03月26日 ウゴツクバネウツギ 子房の中に入っている種子は円柱形で長さ5mm。




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